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平凡な学生が過去と現実を行き来する救世主に!?藤子・F・不二雄の「T・Pぼん」がアニメ化!
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「ドラえもん」でおなじみの藤子・F・不二雄氏の「T・Pぼん」(タイムパトロールぼん)がNetflixで独占配信!
「T・Pぼん」は1978年から1986年にかけて原作マンガが掲載され書籍化、1989年には2時間枠の特別番組としてアニメ化もされています。
今回は、藤子・F・不二雄氏の生誕90周年を記念して制作された、「T・Pぼん」初のシリーズアニメ第1話のストーリーと、主人公が所属するT.P(タイムパトロール)についてご紹介します!
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「T.P」とは?
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この物語の主人公となるのは、「並平 凡(なみひらぼん)」という14歳の少年。名前のとおり平凡という言葉がぴったりの中学生男子です。
賑やかな友だち数人と平和な学校生活を送っていましたが、ある日不思議な体験をすることになります。
学校から帰り、5時まで宿題をしているようにという母の言いつけどおり自宅で机に向ったのはいいものの、気分が乗らず時間は遅々として進みません。改めて時計を見直してみると、たった5分しか経過していないことにいら立ちを感じた凡が、「のろまーっ!」と叫ぶと、なぜか時計の針がとんでもないスピードで回り始め、まるで時空が歪んだかのような感覚を体験するのでした。
少し驚きながらも、「宿題が嫌すぎてノイローゼになってしまったのでは?」と考え、友だちの鉄男の家へ遊びに行くことにしました。
しかし道中の公園で、ヘルメットをかぶりゴーグルを着けた、見慣れない服装の女の子が降ってきたり、空を飛ぶゼリーのような生命体に話しかけられたりと、不思議なことが続いたことで、受験地獄で精神をむしばまれてしまったと思い、鉄男の家へ急ぐことに。
■次々と起こる謎の現象
鉄男の家でジュースを飲みながら会話をしても、先ほどのことが気になる凡。この後、予想もつかない衝撃のできごとが発生。
通常であれば凡が警察の取り調べを受けるような内容ですが、何がおこったのかはアニメの第1話でご確認ください。
おかしな体験が続いた凡は、鉄男の家からとぼとぼと家に帰ろうとすると、ロケットのような不思議な乗り物を発見します。「ちょっとかっこいいじゃない」と乗り物にまたがると、突如として宙に浮きあがり、再び時空が歪んだかのような感覚に襲われます。
目を開けると、乗り物は地上に降りていてほっとしたのもつかの間、さっきまであったはずの見慣れた公園や、凡の暮らす街がごっそりと無くなっているではありませんか!
パニックに陥った凡は、足を踏み外して坂道を転がり落ち、そのまま意識を失ってしまうのでした。
すっかり日が落ち、鈴虫が鳴く夜の帳が下りたころに目を覚ました凡をさらなる恐怖が襲います。
女性の悲鳴の聞こえる方へ林を入っていくと、刀を振り回している盗賊から逃げようとしている男性と女性が斬られるシーンを目撃。金品を奪う盗賊は、ショックで動けなくなっている凡に容赦なく斬り掛かってきたのです。
■タイムパトロールとの邂逅
刀が振り下ろされた瞬間、激しいフラッシュ音とともに「タイムローック!」という言葉が響き、なぜか盗賊だけ時間が止まりました。凡の命を救ったのは、昼間公園で降ってきた不思議な女の子「リーム・ストリーム」。その傍らには昼間に見たゼリーのような生命体「ボヨヨン」の姿もあります。
リームの説明によると、凡がいるのは同じ場所ではあるものの、なんと鎌倉時代の弘安3年なのだとか。そして凡が乗ってきたロケットのような乗り物は「タイムボート」という名前で呼ばれ、これに乗ることで未来と過去の行き来が可能になるそうです。
そしてリームは「タイムパトロール」と呼ばれ、さまざまな時代を行き来して不幸な亡くなり方をした人を救助する任務に就いていること、凡が持ち出したタイムボートの紛失場所を聞き出すため駆けつけたことを明かします。
作品タイトルにある「T.P」は、このタイムパトロールのこと。リームの活動に巻き込まれ助けられた凡が、ひょんなことからタイムパトロールの一員となり、さまざま時代を駆け巡り活躍する姿を描いた「T・Pぼん」は、こうしてスタートするのです。
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タイムパトロールたちが行く先は?
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ドタバタしつつもタイムパトロールとして活動し始める凡ですが、どのような時代を訪れ、どんな人たちをどう助けるのか気になりますよね。
タイムパトロールにはいくつかのルールが定められていて、それに違反しないように工夫しながら救助をする必要があります。
■タイムパトロールが助ける人
タイムパトロールが救助していいのは、本部からの司令によって指示された「不幸な死に方」をした特定の人に限定されています。
救助対象に物理的な力を加えることは許されず、より自然に見せる必要があることから、救助方法もその場で死を防ぐというよりは、過去にさかのぼり、死へとつながるルートを断ち切って回避する手法を取ることも。
そして、助けられるのはあくまでも生存させたことで歴史の流れが変わらない人物に限られます。作中でも触れている、ジュリアス・シーザーのような歴史に大きく関わる人物を助けてしまうと、現代に何かしらの影響が出てしまうので助けることはできないのです。
■その存在を知られてはならない
特殊な活動をしているタイムパトロールという組織の存在は、時代を問わず知られてはいけません。とはいえ、どうしても対象者に接近すると姿を見られてしまうため、「フォゲッター」という記憶を消せるアイテムを使用して、一部の記憶だけを消すことがあります。このようなことを避けるべく、あまり対象者に近づき過ぎずに任務をこなす必要があるなど、活動には困難が付きまとうのです。
日々の生活で周りの人たちに自分がタイムパトロールであると知られてはいけないのはもちろん、タイムボートの取り扱い方法、救助に関するルールを記載した「航時法」の理解など、タイムパトロールの隊員には膨大な知識が求められます。
このようなタイムトラベル物語の設定は、タイムマシンが身近にあるドラえもんを描いてきた藤子・F・不二雄氏ならでは。タイムパトロールのアイテムや救助概念は、シーズン1のエピソード2~4で徐々に明らかになっていくので、話が進むごとにストーリーに深みが増していくでしょう。
■舞台はピラミッド建設の時代から現代まで
凡たちが救助する人たちは、ピラミッド建設の時代から古代ギリシャ、平安時代や凡の暮らす現代まで多岐にわたります。
救助する対象も、自然災害に巻き込まれた女性、自分が悪くないのもかかわらず命を奪われてしまう建築家といった市井の一般人です。ほとんどのエピソードが実際に起こった事件・事故・できごとの語られていない物語といった展開なので、中にはショッキングなストーリーもありますが、タイムパトロールの活躍によってほっとするエンディングを迎えますからご安心を。
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まとめ
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1エピソードがオープニングからエンディングまで含めて30分前後と短く、1回完結で終わるので、ちょっとした空き時間に見ることができます。
「T・Pぼん」は、同じ藤子・F・不二雄氏のドラえもんと一部リンクしている個所があるといわれている作品。共通している部分を探しながら視聴すると、それぞれの新しい魅力を発見できるかもしれません。
藤子・F・不二雄タイトルのファンはもちろん、SFや歴史好きの人も楽しめる「T・Pぼん」。凡たちタイムパトロールとともに、有名なあの瞬間の目撃者になりませんか?
Netflixシリーズ「T・Pぼん」独占配信中
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